« エロの素の補充 | Main | リアリズムの追求 »

September 07, 2004

ロシアの業

過激派の小学校占拠事に関するあっちこっちのコメントを見てみたら、だいたい「プーチンが強硬策を取り続けたのが原因」(大手マスコミとか)というのと、「事情が何だろうがテロは最悪。」というの、さらに「何でもいいけどロシア美少女のトップレスが見られてウマー」というのの3種類があるように思われた。まあ、最後の一つは人として屑としか言いようがないので無視するとしよう。

考慮すべきなのは先の二つの考えでしょうね。

ネットの掲示板などのフィルターをかけると、どうしても意見は「もっとも分かりやすい対立するもの」に分かれていく。だからこの意見結局のところ「ロシアが悪い」「いや、テロリストが悪い」という水掛け論(論拠は山ほど出てくるけれど、結局のところ全部屁理屈でしかない)のだけれど、善悪で言うのなら「どちらも正義の名を口にすることはできないだろう」というのをまず前提とすべきなんではなかろうか。

これは実はあたりまえのことなのだが、どうしてこのあたりまえのことをまず最初に断っておかなきゃいかんのかというと、今回の問題がロシア政府とテロリスト、という当事者間の事情を分析するだけでは不十分である、と思うからだ。

あたし的には問題の根本にあるのは、200年以上に渡ってげっすいことをやり続けて来たロシアという国の業のツケが今回って来たことだと思っている。まあ、げっすいことしなければ海への出口もない雪ばかり降る貧乏国であり続けなければならなかった(あまりに自然環境が厳しいので他国に征服され、支配されることも不可能)、というロシアなりの事情もあるとは思うが、帝政後期や革命前後、さらにはスターリン時代のああいう政策は悪のりのし過ぎというものである。

結局のところ、そういう暗黒極まりない先人の遺産というものがあるため、プーチンとしては「最強硬策」以外は取りようがなかったのではないか、と思うのですよ。あまりに積み重ねられた業が深刻なものであるため、ちっとでも手をゆるめると、それはすなわち「ロシアの崩壊」を意味すると。まあ、この場合、ロシアというのはすでに国名ではなく、「業」という語とほぼイコールなのだけれど。

いずれにしろ、開明的な思考を持っていたとしても(プーチンは持っているとは思わないが)、この手の問題には強硬策以外取りようがない、というのは、ゴルバチョフが連邦から独立の姿勢を示した各国に戦車派遣したことからもある程度明らかかと。

短期的に考えると、今回のドタバタの原因は、現代のツァーリになりたかったエリツィンがゴルバチョフ追い落としのためにソ連邦を崩壊させたことにある、と思う。これって世界史的に考えれば恐ろしい程の損失なのだけれど、権力のこと以外何も考えてなかったらしいこのアル中親父の支配の方が結果的に見れば長く続いた、というのは、エリツィン自身がロシアの支配者としてはゴルバチョフよりずっと「らしい」ものであったためかと思うとかなり皮肉な感じがする。

なんのかんの言っても、プーチンさんの場合、自分を一種のツァーリである(でなかったらロシアに君臨できんがな)と認識する以上、今後も最強硬策以外に選択肢はないし、最強硬策を取り続ければどうなるかはロマノフ王朝の末路を見れば明らかである。ただ、あんまり急激にロシアが崩壊し、国際政治バランスが崩れると困るところが多いので、諸外国は必死で支えてくれると思うのだけれど。

とは言うものの、日本にとってはこのロシアに「緩慢な死」を与え、千島(全島)と樺太とを分捕る、というのが一番国益に叶っているようにも思えるのだが、こんなこと言うと自称進歩主義者から叩かれるんだろうなあ。

ついでに言うと、幸いなることに日本においてはこの手の「業」の蓄積はここんとこ半世紀以上ないのだけれど、順調に「業」を蓄積している隣国がロシア以外にあと3つあったりするように思えるのは気のせいか?

|

« エロの素の補充 | Main | リアリズムの追求 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ロシアの業:

« エロの素の補充 | Main | リアリズムの追求 »