二足のワラジ
出版不況、という言葉はついに一般的な用語になってしまったようだが、実際苦しい。
知り合いのPCライターでも、昨年から今年にかけてかなり廃業した人がいる。
で、こちらもPCだけじゃ喰えないかな、と思うようになったので、間口を拡げるという感じでちょっと違う本を2冊書いてみた。ひとつは、「ビジネス書だ」と偽りながらアキバに巣食うオタクの実情をかなりデフォルメしておっさんを笑かす本で、もう一つはおっさんのために、巨大匿名掲示板というのはどういうとこか、ということをやっぱり笑わせながら解説した本だった。
嬉しいというか何というか先の本の方には、茶化されて怒ったオタクの方の非難がちょっとだけ集中し、販売サイトの書評欄には、「本格派のトンデモ本である」などという評価をいただくことができた。
後者の本はあまり話題にならなかったけれど、版元に気に入られ、さっそく第二段を出そう、という話になった。で、どうしましょうかねえと相談した結果、「ダメオタクをちょっとだけまともな道に更正させる啓蒙書にしよう」という方向にまとまりかけたのである。
「でもねえ、オタクってごく一部でも非難されるとそれをそのまま全人格否定として捉えますからねえ」とワタシは版元の社長にいい、社長もそれに同意したので、「99%までオタクを『それでいいんだ』と認め、あとの1%だけ『でもね』と言う感じで注文をつけるようにしよう。語りかけるのは『妹』ということでどうだ」と軌道修正した。で、企画を進めていくに従ってあーでもない、こーでもないと二転三転し、最終的に気がついたら「小説」ができあがってしまっていたのである。
というわけで、ウソのような本当の話なのだが、その本が今度の木曜日に書店に並んでしまう。「なりたい」と思ってた人には非常に申し分けないのだが、不惑を迎えたPCライターが、どういうわけかライトノベルズ(結構エッチ)の作者としてデビューすることになってしまったのだ。しかもいきなり書き下ろし単行本で。
一応、その小説の方は40の子持ちのオヤジが書いていた、とバレるとマズいので、適当なペンネームをでっちあげといたけど、今後どうやらそっちの方も定期的に書かなければならないような感じだ(って実際書き始めているし)。
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