« September 12, 2004 - September 18, 2004 | Main | September 26, 2004 - October 2, 2004 »

September 25, 2004

次の仕事

版元の社長と午前3時まで居酒屋で飲みながら次の小説の企画を練った。

これまで書いた2本はドタバタもので、社長の方としては「単にキャラ設定を紹介しただけで、ストーリーに動きがない」というあたりが不満だったそうだ。

「もっとドラマチックな展開を見せるのを書いて欲しい、あんたなら書ける」とまあ、こんなことをしばらく前から繰り返し言われていた。

しかし、そうは言っても結局先の2本を買ってくれたのはオタだったし、オタだと社会経験が少なくてなおかつ登場人物に必要以上に感情移入するから、キャラをあまりハードな目に遭わせると読んでくれないのでわ、とあたしはずっと懸念しておったのだ。んだもんだから、これまでは極力「キャラを壊さない」方向で話をまとめようと考えていた。

今度はドラマチックな展開にしないとGOサインが出なさそうなので、思い切ってリミッターを解除して話の土台をこさえてみた。出てくるキャラクターの何人かにこれでもかと重い業を背負わせ、互いにぶつけあわせると確かに話の展開は派手になった。派手になり過ぎてキャラの腕とか目玉とか臓物とかが飛び散るシーンが山ほど出るような感じになり、揚げ句の果てに主人公が死んでしまう展開になってしまったが。

プロットを見た社長は、いつもだったら「ここは違うんじゃないのかなあ」と言い出すのだが、今回に限っては「うん、面白いと思いますよ」と一言でOK出してくれた。が、こういう徹底的にキャラを破壊するタイプの話に、オタがのめり込んでくれるのかどうかについてはあたしの方にはまだ疑問が残っていたりする。

が、同じプロットを見た一緒に仕事しているエロライターの人(20代前半♀)が、「泣きゲーみたいでいいっすね」と言ってくれた。ふむ。そうか、そういやオタって泣きゲー好きだもんな。

とはいうものの、そんでもちょっと懸念はあるのですよ。オタが好きな「泣きゲー」のパターンつうのは、主人公である男の方が傷ついたり死んだりするのはほとんどなくて、それ用に用意された「いぢめてちゃん」な美少女キャラが難病にかかったり、言葉を失ったりするっていう、変形ソフトSMなのだけれど、今回あたしが書く話っつーのは、ヒロインもぼろぼろになるが、それを守る主人公の男はそれ以上にぼろぼろになるという話だからなあ。オタに感情移入してもらえるかなあ。

…だからと言って、「男が傷つかない話書け」とか言われても「否」とか言っちゃうんだろうけど。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

September 23, 2004

台湾ネトゲ

ふとした縁から、台湾のネットゲームメーカーが集まるセミナーという奴を聞きにいったら、翌日台湾メーカーの中の人たちが集まっている場で逆にこっちが話さなければならない羽目になった。

で、司会やっている人(今はなき日立鉱山病院という同じ病院で生まれたという妙な関係の人だったりする)が「多少辛辣でもいいから思っていること全部言え」というので、「台湾のゲームって、キャラ立ちしてないし、シナリオとかもどかで見たことあるのばっかりだから、日本のオタはあまり買わないと思うぞ。」という旨のことを話した。

さらに、「日本ではエロゲ同人でも台湾産のモノより立ったキャラが作れる!キャラデザとシナリオは日本人にやらせろ」と続けた。

すると、「アジア全体を商圏とする場合、エッチゲームは作れない」とか言ってたんだが、会が終わって名刺交換の場になると、「実はウチもキャラデザとシナリオは日本人がいいと思っている。誰か紹介してくれんか?」とか言ってきたのね。上の「エッチゲーム」というのは、向こうの人がそのまましゃべっている言葉を書きつけたモノで、翻訳でもなんでもない。つまり台湾では「エッチゲーム」という発音の単語が普通名詞として定着している、ということなのだ。つまり、「ウチは作らん」とか言ってはいるが、そーいうモノがどーいうモノであるかものすごくしっかり知っていた、というコトなのである。ちなみに、台湾でエッチゲームを作っているメーカーはたぶんまだないとは思うが、エッチゲームは大量に売ってますよ。ほとんど全部海賊版だと思うけど。

んで、ここのページにあるうちの居候軍団のHPとかをプロジェクタ経由で開いてみせて、「ほれほれ、キャラは台湾産よりずっといいべ?」とかやったので、居候軍団の作品が、「台湾のネットゲームメーカーの社長の間で一番知名度の高い日本産エロゲ」ということになってしまった。

こーいうところはほとんどもう言ったモノ勝ちなとこがある、と思って飛ばしまくったので、ひょっとするとさらに妙な縁が発生して仕事することになるかも知れない。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

September 21, 2004

新しき萌え衣装

昨日は比較的マトモそうなことを書いたから、今日はものすごくバカなことを書こう。

あたしゃやっぱり文学部史学科なんぞというところを出ているせいか、ごく普通のドラマよりも時代劇の方に食いつきのよい人間であるらしい。遠山の金さんなんかネタ元として大好きだし。

で、その時代劇好みの傾向が、いわゆる「萌え系」にも出ているということがついこの間分かって我ながら驚愕している真っ最中だったりするのである。

いや、先週何の気なしにテレビ付けたら、幕末維新期を舞台にした巨大ロボットアニメやってて、それに出てくる娘どもにハマってしまったのである。

これに出てくる娘は、武家2名・庶民2名なのだが、問題となるのは庶民の娘の方の衣装である。単衣の服なのだが、裾が異様に高く、膝上10センチぐらいなのだ。わかりやすい例としては「サスケ」の主人公であるところのサスケが着ている服の女の子版(よけい分からんわ、というツッコミがありそうな気がする)なのである。

膝上10センチのミニなんざきょうび珍しくも何ともない。が、この服のばやい、「ぱんつ」というものが黒船に乗ってやってくる以前の話であるから、単衣の下は基本的にナニも着ていないはずなのである。そーいうところを想像すると、オタク魂の琴線にびしびしくるものがある。その破壊力たるや、仕事仲間が提唱した「スクランブル(スク水・ランドセル・ブルマのフル装備)」に勝るとも劣らない。

ところでこの服、正式名称はなんと言うんだろうねえ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

September 20, 2004

善玉と悪玉

一度に大量の情報消費者を相手にするマスコミの場合、起こった事件についてごく単純に「善玉・悪玉」を作りあげ、どっちかの側についてどっちかを批判しまくることがかなり多い。

これは「従来のマスコミの限界を超越するんだ」と鼻息を荒くしている匿名掲示板とかでもほとんど変わらない。天下国家を論じる資格のない連中にそういうことをさせるとどうしてもこうなってしまうのだが、資格があろうとなかろうと権利は与えてやるというのが現在のこの国の政治の基本方針である以上、命をかけなければ否定はできない。できるのはせいぜい、ステロタイプな「善玉・悪玉論」に対する反論というのを署名入りで残しておくぐらいである。

それはともかく、プロ野球である。いまや完全にマスコミにおいては「善玉=選手会、悪玉=オーナー会議(とその背後にいるワンマンマン)」という図式ができあがってしまった。あまりにはっきりし過ぎたので、首相までもが人気回復の材料として、選手会寄りの発言をする始末(あの人の場合、そうするのが「商売」なのだから、うまくやっている以上それは非難すべきではないのだが)である。

しかし、ホントに「選手会=善玉」なのかというと、これには首を傾げざるを得ない。

プロ野球の興行の場合、年間にかかるコストとというのはかなりはっきりと事前に算出可能だ。また、観客動員の方も、半世紀以上興行をずっとやっているのだから、10%ぐらいの増減の範囲内できっちりと推定することが可能なはずだ。つまり、経営としてはかなりやりやすい部類に属するのだ、と思う。親会社からの支援というものを加味すれば、「慢性赤字」になんぞなりっこない。

にも関らず、特定球団が慢性的な赤字になってしまっているのは、球団そのものが上げている利益とは関係のないところで「支出」が決められているからだ。要するに選手の年棒が不当に高いのである。王貞治から現在に至るまでの一億円プレーヤーの数と、その間の球団の収入の伸びとを比較してみれば、ナニが球団の収支を圧迫していたか、というのは明らかだろう。

いい仕事をした選手には、それなりの報酬が与えられてしかるべきである。だが、結果以上の報酬を与えることは、あってはならない。プロの場合、突き詰めていってしまうと「いい仕事」というのは「客を呼べる仕事」である。各種の数字というのは「客を呼ぶ」ための種に過ぎないのであり、新庄みたいに数字がアレでもダイレクトに客を呼べるのなら、それなりの報酬は貰う資格がある、と言えるだろう。

だが、客を呼ぶためには最低限試合に出ている、ということが絶対的な条件となる。これだけは譲れない。にもかかわらず、現在プロ球界には試合に出てないにも関らず、億を超える年棒を受け取っている選手がかなりいる。まあ、球界の盟主を名乗るあの球団に多いのだが、他の球団にもいないとは言えない。

選手会としては、経営に失敗したオーナー会の責任を追求するのも結構だが、その一方で活躍もせんと多額の年棒を貰い続けていたダメ選手を強制的に引退させる、ぐらいのこともやるべきだろう。

その後で、球団ごとに所属選手全員に対して支給できる金額の上限を発表し、その年ごとの活躍に応じて分配率を決める、ぐらいのことをやって欲しい。これなら経営は基本的に赤字にはならない。

これをやると、豊かな球団はますます強く、貧しい球団はますます弱くなるのだが、それはそれで結構だろう。どだい同じリーグに所属する6球団すべてに同じような強さを要求するから、話がヘンになったのだ。両リーグとも、大ブルジョア球団1、中産階級球団3、極貧球団2ぐらいでいいんじゃないか、と思う。極貧球団でも、乏しい予算を何とかやりくりして、一人だけ凄いピッチャーを擁しておき、大ブルジョア球団と対戦する時は常にそのピッチャーをぶつける、という感じにすれば(これは今までもやられていたような気がするが)、「いい試合」はできる。

貧乏球団は常に取り潰しの恐怖に怯えることになるのだが、そこは地域に密着していけば、最低限の観客は確保できるだろう。ある意味、Jリーグのやり方を見習うということになる。

要するに、アマチュア競技じゃないんだから別にスタート時点での平等を求めなくてもいいでしょ、ということなのだ。

| | Comments (0) | TrackBack (3)

September 19, 2004

残るもの、残らないもの

「手塚治虫シミュレーションを芸にするんだ」と勢いこみ、そのパターンを追いかけ、再現する作業をしようとしたら、面白いことに気がついた。

自分の脳内に残っている「手塚テクスト」と、現存の「全集」等のテクストでは内容が微妙に異なっているのだ。

具体的に言えば、こんな感じだ。自分の脳内において「火の鳥・望郷編」の女王ロミの最期は、牧村に射殺されるものなのだが、現存のテクストにおいては、射殺寸前に寿命で昇天、というものになっている。また、「乱世編」の義経は、ワタシの脳内においては「弁太によって撲殺」なのだが、現存のテクストにおいてはこれも違っている。

「脳内テクスト」の正体は何かっつーと、別にワタシが妄想(あるいは捏造)したもんではなく、雑誌掲載時のオリジナルだったりする。「火の鳥」が連載されていた「マンガ少年」をワタシは毎月買っていたのだ。

これに限らず、手塚作品というのは単行本になった時に結構加筆修正がなされているという例があり、その多くにおいて、単行本の方がより表現がマイルドになるという傾向がある。

「ブラック・ジャック」にしたところで、雑誌掲載時には結構くそヤバいエピソードがてんこもりだったのだが、それらのうちの特にヤバい数話は、現在なかったことにされてしまっている。ちなみにワタシは「格闘士ローマの星」が終わった直後あたりから当時チャンピオンを毎週買うようになっていたので、ここらもほぼすべてリアルタイムで見てる。

こういう「リアルタイム派」からすると、手塚治虫氏は偉大ではあるが決して聖人君子ではなかった。一言で言えば、あんまり教育的でない内容の話も多かった。「三つ目がとおる」では何かと和都サンを脱がしていたし、「ミクロイドS」でもアゲハを脱がしていたような気がする。同時期の他の漫画家さんと比較しても、裸は多かったと記憶しておるです。そーいやアトムも半裸だしね。

しかし歴史的人物としての手塚氏の評価は、単行本の形で残されたテクストをベースになされるわけだ。しかもこの単行本、「名作」とされていないものはふるいにかけられて落とされてしまうことがある(一応全集もあるけどね)。となるとますますもって「名作」のみを描いた聖人君子としてのイメージのみが後世に残されるようになる、というわけだ。

でもリアルタイム派の生き残りとしては、聖人君子の部分よりも、動くものには何にでもサカれる色欲魔神(しかもこの色欲、食欲との境目が非常にあいまいだ)の部分の方が手塚氏の本質により近く、なおかつ素晴らしいモノであったように思われるので、そういう部分を「継承」して自分の芸としてくれよう、とまあ決意を新たにするのであった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« September 12, 2004 - September 18, 2004 | Main | September 26, 2004 - October 2, 2004 »